京都大学高専会
体験記(S.R.)

ハンドルネーム

S.R.

編入学年度

令和8年度

京都大学での学科・コース

理工化学科

出身高専・学科

和歌山高専生物応用化学科

高専時代の順位

  • 1年:30番くらい
  • 2年:30番くらい
  • 3年:8番
  • 4年:20番
  • 5年:22番(前期期末終了時点)

他大学の受験状況

  • 京都工芸繊維大学 工芸科学科 物質・材料科学域 応用化学課程 : 合格
  • 神戸大学 工学部 応用化学科 : 不合格
  • 大阪大学 基礎工学部 化学応用科学科 : 不合格

編入の勉強を始めた時期と勉強時間

数学 : 3年の冬から始めました。3年冬から高専で配られた大日本図書の問題集をやって、4年夏から編入数学徹底研究をやって、4年冬から編入のための数学問題集をやりました。

物理 : 4年の夏休みから始めました。4年の2月までは黄色の基礎物理学演習をやっていたのですが、そこからは水色の基礎物理学演習をやりました。

化学 : 5年の春から始めました。

英語 : まずはTOEICのために勉強しました。2年のときぐらいからシステム英単語をやっていて、3年の夏休みぐらいから金フレとTOEIC公式問題集と総合英語be3rd Editionをやりました。3年の冬ぐらいにはTOEIC文法特急をやり始めました。4年の夏休みぐらいからTOEFLに向けて、TOEFLテスト英単語3800をやったりNational Geographicの英語雑誌を読んだりしました。そして、4年の春休みぐらいにTOEFLの公式問題集であるThe Official Guide to the TOEFL iBT Testをやりました。

京大の過去問 : 7月ぐらいから取り組みました。

 勉強時間に関しては、スタプラに記録していたわけではないし、毎日〇時間取り組むと決めてやったわけではないので見当がつきません。すみません、、、

 勉強時間をきっちり計っていたいたわけではないのですが、たぶん少ない方だと思います。編入の勉強を始めたころは1日当たりの勉強時間を決めていました。平日は3時間やって土日は8時間やるぞ!とか意気込んでいたのですが、全然計画通りに実行できませんでした。計画通りに勉強できないので自分はダメなんだと思ったりしましたが、いちいちそんなことで気分を落としてもしょうがないなと思うようになり、勉強時間に関する目標はたてなくなりました。

一般科目の勉強

英語

  • National Geographicの英語雑誌

 Readingの勉強にはこれを読み進めていくという勉強法が良かったと思っています。わからないところはGoogle翻訳にかけて読みました。National Geographicの雑誌で扱われている記事はアカデミックなので、内容的にもTOEFLと似ていて良いと思います。

  • (YouTube)Kurzgesagt

 Listeningに関しては、このチャンネルの動画を字幕付きで見るという勉強法が良かったと思っています。内容が面白いので、勉強のつもりじゃなくても動画を楽しみながらListening力が鍛えられます。

  • TOEFL iBTテスト 必修フレーズ100

WritingとSpeakingに関しては、これで勉強しました。

  • The Official Guide to the TOEFL iBT Test

 TOEFL試験の3週間ぐらい前から取り組みました。もっと早くから取り掛かればよかったと思っています。この本にデジタルコードが載っていて、ETSのTOEFLのなんかのページでそのコードを打ち込むことで本番形式のTOEFL iBT Testがダウンロードできます。本番の形式に慣れるためにもやっておきましょう。

 TOEFLのテストは4月23日と5月17日の2回受けました。4月に受けたテストの方が点数が高かったので、そちらを京大には提出しました。

 京大へのTOEFLスコア提出には期限があります。その期限的にはTOEFLの受験は5月でも間に合うのですが、理想的にはもっと早い段階でTOEFL受験を終わらせたいです。自分の場合、6月に工芸繊維大の試験があり、5月は工芸繊維大の対策で手一杯でした。多分、他の方も5月ぐらいからは英語に手をまわしている時間はないんじゃないかと思います。

数学

  • 大日本図書の学校で配られた問題集(微分積分?, 微分積分?, 線形代数)

 学校の先生の助言をきいて、この問題集から数学の勉強を始めました。この問題集には基礎レベルの問題がたくさん載っていて、とっかかりとして良い参考書だと思います。京大数学で頻出の微分方程式ですが、この問題集ではいろんな型の微分方程式の問題があるのでお勧めです。

  • 編入数学徹底研究

 編入志望のほとんどの人がやってると思います。フーリエ、ラプラス、複素、ベクトル解析の章も含めてすべての章を一周やりました。

  • 編入のための数学問題集

 フーリエ、ラプラス、複素、ベクトル解析以外の章を2周ぐらいやりました。この問題集ではフーリエ、ラプラス、複素、ベクトル解析の章はやっていません。

  • 青チャート数A

 確率の勉強のために確率の問題だけやりました。青チャートは網羅的な参考書で、いろんなパターンの確率の問題が載っています。

  • (YouTube)わんみんさん、ヨビノリさん、3blue 1brownさん

 YouTubeの動画も活用しました。中でも印象に残っているのは3blue 1brownさんで、線形代数を勉強してた時は何をやっているのか全く分かっていませんでしたが、3blue 1brownさんの線形代数のエッセンスを見て理解が深まりました。

物理

  • 基礎物理学演習(黄色/水色)

 初め黄色の方をやっていましたが、途中から水色の方に切り替えました。僕的には水色のやつの方がやりやすいです。やったのは力学と電磁気の章だけで、それ以外の章はやっていません。

 試験の点数から明らかですが、僕は物理が苦手です。僕的には物理がどの科目よりもしんどかったです。数学に比べると、物理は圧倒的に勉強不足だったと思います。語れることがあまりありません、、、

化学

 授業で習ったことを思い出しながら勉強しました。使った参考書とかYouTubeで見た動画を挙げていきます。

物理化学

  • ムーア物理化学-上-
  • 物理化学演習1 大学院入試問題を中心に(東京化学同人)
  • (YouTube)ヨビノリ

有機化学

  • マクマリー有機化学概説
  • 大学院をめざす人のための有機化学演習(化学同人)
  • (YouTube)もろぴー、ジェイズ/J'z Medical Channel

無機化学

  • 無機化学演習(三共出版)

高校化学

  • 2025セミナー化学

 参考書の全てのページをちゃんとやったわけではありません。出題されそうなところだけをやりました。

専門科目の勉強

 定期テストに備えて勉強しましたが、定期テストが終わったらそれっきりで、編入試験の前に復習するとかはやりませんでした。

お薦めの参考書

数学

  • 大日本図書出版の高専で配られる問題集
  • 編入数学徹底研究
  • 編入のための数学問題集
  • (YouTube)わんみん、ヨビノリ、3blue 1brown

物理

  • 基礎物理学演習(水色)

化学

  • ムーア物理化学-上-
  • マクマリー有機化学概説
  • 無機化学演習(三共出版)
  • 2025セミナー化学(2025年版以外でもいいと思います)
  • (YouTube)もろぴー、ジェイズ/J'z Medical Channel、ヨビノリ

英語

  • TOEFlテスト英単語3800
  • TOEFL iBTテスト 必修フレーズ100
  • The Official Guide to the TOEFL iBT Test
  • National Geographicの雑誌
  • (YouTube)kurzgesagt

TOEFLの点数

67(R:23, L:16, S:14, W:14)

編入試験の出来

一般科目

 手ごたえとしては

  • 数学:6割
  • 物理:5割
  • 化学:7割

といった感じです。

 しかし、蓋を開けてみると

  • 数学 : 6割(126点)
  • 物理 : 1割(10点)
  • 化学 : 6割(59点)

でした。これで受かったんだから、驚きですね。

 数学は手ごたえどおりでした。

 物理は電磁気の方は全部答えられたので5割ぐらいあるかなと思ったのですがまさかの1割、、、お恥ずかしい限りです。

 化学も7割ぐらいは自信をもって解答しましたが、6割しか取れてませんでした。化学に関しては、今年は傾向が変わったのかなと思います。毎年あるような結晶の問題がなくてリン酸の解離の問題だったり、ある化学反応を起こす反応器について出口の組成を求める問題があったりと、専門の授業で解いたことのある問題が出ていました。

 英語についてですが、TOEFLのReadingの点数が23点も取れてるのは、知ってるトピックだったからです。TOEFLはトピックの内容を知ってるか知らないかの運要素があると思います。

面接(口頭試問)

形式

 教授が8人くらいいて、コの字型に座っています。そのうちの一人が進行役で、質問のほとんどはその方からされます。そして、残りの方が回答に対する深堀り質問をします。教授の方たちの愛想は良いです。なので気持ちよくしゃべることができました。

 時間は20分くらいでした。

聞かれたこと

  • 受験番号と自己紹介をお願いします

 受験番号は〇〇です。和歌山高専生物応用化学科の5年生の〇〇です。卒業研究では生物の細胞膜を構成している脂質分子の流動性に関する実験を行っています。

  • 志望動機を教えてください

 現在、卒業研究で脂質の物性値を測るような実験をていますが、脂質の応用に関する研究がしたいと思ったからです。

  • 英語は得意だと思いますか

 はい、英語の成績は常に良い方でしたし、TOEICでは790点を取得することができました。

  • TOEFLは2回受けましたか?

 はい、2回受けました。1回だけだと実力を発揮しきれないかもしれないし、2回セットで受験を申し込むと1回当たりの受験料が安くなってお得でした。(ここで面接官の方々が笑ってくれました)

  • サイエンス同好会っていうクラブに所属してたみたいだけど、どんなことをやってたの?

 所属している学生同士で実験のテーマを決めて、それに取り組みます。高専祭っていう学園祭の時にはサイエンス同好会のブースで出し物をして、来てくれた一般のお客さんに簡単な科学の実験を楽しんでもらいました。

  • どんな出し物をしたの?

液体窒素で花を凍らせる実験だったり、人口イクラをつくる実験だったりです。人口イクラはあらかじめ試薬を用意しておいて後は混ぜるだけみたいな状態にしておいて、お客さんには混ぜる工程だけやってもらいました。

  • 高専で物理の授業はちゃんとやった?

 授業はありましたが他の学科に比べるとそこまでちゃんとやってないと思います。

  • 物理の試験で力学の方は空白が多いけど、時間があれば解けた?

 いいえ、難しくて解けないと思います。

  • 和歌山高専のカリキュラムはどんな感じ

 生物コースと化学コースに分かれていて、僕は生物コースです。生物コースに特有の授業で分子生物学があります。

  • 分子生物学の点数が極端に悪いけど、なんで?

 先生と噛み合いませんでした。(どのように噛み合わなかったのかとか、苦し紛れの言い訳を喋ると笑ってくれました(笑われた?))

  • 分子生物学ではどんな勉強をするの?DNAとか?

 はい、DNAの発現とかを勉強しました。

  • どうして脂質に関する研究がやりたいと思ったの

 4年生の時に生物化学の授業があって、そのときにアミノ酸とか脂質とか糖とかを勉強して面白いと思ったからです。

  • アミノ酸、脂質、糖の中で脂質を選んだ理由は?

 うちの高専には脂質の研究室しかなかったので、脂質を選ぶしかありませんでした。

  • 脂質分子のどんなところが面白いですか?

 生物の細胞膜を構成する脂質分子は、その生物が生息する環境によって特有の脂質分子を持ちます。卒研では深海の熱水噴出孔近くに生息する生物に特有な脂質分子を研究しているんですけど、その特徴として脂質分子の炭素鎖が分岐しています。そういうところが面白いです。

  • どうして専攻科ではなく、うちを選びましたか?

 専攻科に進学しても脂質分子の応用に関する研究はできないからです。

  • うちの研究室で、特に行きたいと思うところはありますか

 まだどの研究室に行きたいかは決まっていません。

  • うちは2年生に編入することになりますが大丈夫ですか?

 はい、むしろ勉強をできる期間が長くなって良いことだと思います。

  • どのような進路を思い描いていますか

 学部を卒業した後は大学院の修士課程まで進みたいと思っています。学部卒業では卒業研究に取り組める期間が1年しかないので、それでは足りないと思うからです。

  • 修士課程を卒業した後は?

 博士課程に進学するのか、就職するのかはまだ決まっていません。

  • 最後に、この質問は合否に関係ないのですが、他にどの大学を受験しましたか?

 京都工芸繊維大学と神戸大学と大阪大学基礎工学部です。工芸繊維大は合格しました。大阪大学は落ちました。神戸大は発表まだです。

  • 第一志望はどこですか?

 京都大学です。

 過去に理工化学科(工業化学科)を受けられた方の体験談から、自分が尊敬する人物について聞かれるのかなと思って準備していたのですが、聞かれませんでした。

コメント

 面接の点数が87.5 %だったことから、面接官の方に良い印象を与えられたのではないかと思っています。その要因としては、京大を受験するまでに面接試験があるところを3校受験していて面接に慣れていたこと、明るい表情で受け答えしたこと、とかがあると思います。

志望動機

 大学編入を志した理由としては2つあります。1つ目が僕は卒研で脂質の物性に関する研究をしているのですが、大学で脂質の応用に関する研究がしたかったからです。2つ目は大学生活をしてみたかったからです。

 京都京都大学を志望した理由はネームバリューとか京都での生活に憧れがあったからです。

受験生へ

 僕は高専テクノゼミというオンライン塾で授業を受けていたのですが、これはとても良かったと思っています。高専テクノゼミの授業は自分が分からない問題を講師の方に教えてもらうという形式になっています。自分のわからない問題を探すことで、自分はどういうことが分かっていないのかが洗い出せて、知識の整理につながります。

 僕は京大の過去問の手応えとか阪大に不合格だったことから、京大は受からんやろなって諦めムードで受験に臨みました。得点開示をしてみると確かに点数は低かったのですが、この点数で合格をいただけたわけなので、諦めムードなりにもちゃんと受験をしてよかったと思っています。

 正直に言うと、問題との相性的に僕は今年じゃなかったら京大には受かってなかったと思います。化学の問題が今までの授業で触れたことがあって解きやすかったのです。出題された問題に触れたことがあるというのは大きなアドバンテージになると思うので、受験生の方はなるべく多くの問題に触れるのが良いと思います。

 志望理由についてですが、僕のようにネームバリューとかで選ぶ人も結構いると思います。それを面接で言うのはまずいと思いますが、勉強の原動力としては良いと思います。〇〇大学に受かりたい!みたいな気持ちは尊いものだと思うので、その気持ちを大切にしてください。

 最後に、勉強は楽しくやりましょう!

2025年11月03日 by S.R.