京都大学高専会
体験記(コーラ)

ハンドルネーム

コーラ

編入学年度

令和7年度

京都大学での学科・コース

地球工学科

出身高専・学科

大阪公立大学高専都市環境コース

高専時代の順位

学科内順位(約160人中)

以下コース内順位(約35人中)

他大学の受験状況

編入の勉強を始めた時期と勉強時間

4年生の2月までは、編入数学徹底研究の第5章までと、ヨビノリの今週の積分を全て解き切ったぐらいでした。あと、TOEICの勉強を本当にダラダラとしていました(4年生時はずっと500点ぐらいだった)。また、数学は好きだったので、TOEICの勉強の休憩がてら、合格る確率+場合の数を進めていました。この頃はあまり勉強しておらず、少し部活に行ったり、実験実習のレポートに追われたりしていました。ただ、学校の数学・物理の授業は確実に理解するようにしていました(結果的にこれは結構大事だったと思います)。4年生最後のレポートを書き上げ後、春休みから本格的に受験勉強を始めました。

4年生の3月からTOEFLの勉強を始め、受験に余裕で間に合う範囲内でギリギリの5月末にTOEFLを受験しました。TOEFLの1週間後にTOEICを受け、6月の1週目以降からは数学・物理・化学の勉強を平日8時間程度、休日10時間程度していました。6月末の技科大入試が終わってからは平日10時間程度、休日14時間程度勉強していました。

過去問題は、時間を測ってはほとんど解きませんでした。どんな問題が出るのか、どんな勉強をすればよいかを知る為に各教科数か年分をぱらぱらと見ていました。各教科2か年分だけ時間を測って解きました。

総勉強時間は1200時間と大分ギリギリを攻めた形となりました。

京大高専会のしゃぴんさんの体験記を参考に勉強を進めました。

一般科目の勉強

英語

使用教材等

最初、何も考えずに近くの書店に行き、TOEFL iBT〇〇のエッセンスシリーズを買いましたが、これは良くなかったと思います。TOEIC400点~を対象にしている的なことが書いていたので手に取ったのですが、TOEIC500点代では全く分からないレベルでした(そもそもTOEICとTOEFLは違いすぎて比べられないと思います)。このシリーズは基本的な英語の基礎がある人が、どの様にして点を取るか、といったことにフォーカスが置かれていて、基礎が出来ていない人が手に取ると絶望しかしませんし、勉強として非効率となります。結果的に、このシリーズの教科書はパラパラと見るくらいで、解いた問題は各本5、6題ぐらいでした。

TOEFLテスト英単語3800はRANK2までを完璧に、RANK3をうる覚え程度に覚えました。3月からTOEFLの勉強をはじめ、5月末の試験までに表紙がちぎれて無くなるほど使い倒しました。英単語は、分からなくてもいいので一単語数秒で、次へ次へと確認していき、それを繰り返すことが重要だと言われています。ただ、僕はそれだと分からな過ぎて途中で挫折してしまうタイプだったので、1週目は少し時間をかけて、短期記憶である程度覚えた後、1単語3秒程度で確認するのを1日に何週もしました。

5月に入ってやっとオフィシャルガイドブックを使い始めました。ただ、英語が苦手だったこともあり、全然解けませんでした(初めて解いた時はR7、L4でした)。とりあえず問題を解いてみて、スクリプトを印刷し、分からない単語や分にマーカーを引き見直す、という方法で勉強しました。文法的に分からないところはネッで調べたり、代ゼミの富田先生の東大英語の授業がYouTubeに上がっているので、それを補助教材的に使っていました。1年間カナダに留学していた友達がいたので、分からない部分はその子にも聞いていました。オフィシャルガイドブックについているテスト4回分の内、2回分のリーディング、リスニングだけを解きました。

TOEFL受験の1週間前になり、ほとんどスピーキング、ライティングの練習が出来ていなかったので、この2技能はテンプレートをガチガチに覚えました。覚えたテンプレートを用いてTOEFL公式サイトにあるAI採点付きの練習問題で毎日練習しました。テンプレートをガチガチに使うと10/30ぐらいは確実に取れるのですが、ネットの情報によると17点以上はほとんど取れなくなるようです。作文を書く練習として、友達にLINEで英日記を毎日送っていました。ただ、効果があったのかは正直分からないです。

そして時間切れとなりTOEFL受験を迎えました。この様に、私はTOEFLの準備が明らかに不足していました。結果的に高専編入においてはそこそこのスコアを取れましたが、マークの運が良かったといったこともあったので、あまり参考にしてはいけない勉強法だと思います。TOEFLの勉強法はYouTube等のネットに沢山あるので、そちらで早めに、早めに、早めに調べて下さい。とにかく早めに行動することが大事です!

数学

数学が得意だったこともあり、高専で使ってた教科書は簡単だと思ったので、受験勉強の為には一切使いませんでした。また、次にも書きますが、ちゃんとやり込んだ総合的な問題集は編入数学徹底研究の1冊だけです。数学を勉強する時、範囲や問題の「核」を意識していました。「この問題はこの解き方をする」といったことを覚えるのではなく、「この問題はどういうことを問うていて、どの様なことをしないといけないのか、その為には何を理解していなければいけないのか」といった、問題の本質的な部分、核を意識しておくと、少ない参考書でもある程度の数学力を付けれると思います。ただ、少ない参考書だと出会えない範囲も存在します(例えば、徹底研究だけだと全微分方程式や積分因子のこととは出会えず、全くわからない)。なので、時間があり、本気で京大に受かりたければ、1冊1冊をしっかりとやり込んだ上で新しい参考書を手に取って学習していけば良いと思います(これがベスト!)。

使用教材等

以下ヨビノリ(YouTube)

今週の積分など

ヨビノリの今週の積分を4年生の時に全て解き、ノートにまとめていました。100題全て解くと、基本的に複素積分でない一般的な積分は全部解けるようになるといっても過言ではないです。京大は普通の定積分、不定積分の問題が度々出題されますが(今年も出題された)、今週の積分の知識があれば瞬殺出来ます。実際、今年の試験で私は定積分の小問2問を3分ほどで完答しました(解法を思いつくだけだと、2問合わせて10秒くらいでした)。また、積分の知識を固めておくと重積分などにも非常に役立ってきます。結構楽しく学習でき、しかも受験で非常に役に立つので、ヨビノリの今週の積分は非常におすすめです! また、他にもヨビノリは積分に関する動画を出していて、それらを知っておくと解答の時短が出来たりと非常に有用なので、おすすめです。

編入数学徹底研究

4年生の時に第5章「級数」までしたのですが、発散速度の証明や説明などが書いてなくて、そこを疑問に持ってしまって躓き、そこで一度編入数学徹底研究の勉強をやめてしまいました(ちょうどレポート等が忙しくなった時期でもあったので…)。5年生の6月末に長岡技科大受験があったので、それまでに第4章の復習と、第6章~第13章を解きました。技科大受験後、名古屋大学受験に向けて第18章のベクトル解析まで終わらせ、やっとこの時点で一周しました。ただ、学校の授業をしっかりと理解していたこともあり、一周だけで結構理解できていたと思います。第11章の「ベクトル空間と線形写像」は苦手だったので、大学編入のための数学問題集、編入数学過去問特訓を用いて追加で勉強しました。また、複素解析はヨビノリの複素関数論入門を一気見して勉強しました。徹底研究で分からない所はわんみん(YouTube)を見て勉強しました。わんみんでは問題のポイントを解説したりもするので、少し不安なところは見ておくと安心出来るかと思います。この時点で7月中旬になってました。数学はこれ以降がっつり時間を取ってすることはありませんでした。8月初めの名大受験が終わってからは徹底研究をもう一周し、例題、類題、章末問題とも、完璧に解けるようにしました(2週目以降は行列の掛け算等、非常に簡単な範囲は飛ばしました)。

編入数学過去問特訓/大学編入のための数学問題集

この2冊に関してはほとんど解きませんでした。苦手な分野や長岡技科大/名大/京大の過去問を解くのに使った程度です。近年、京大の入試問題は非常に易化しており、基礎的な数学力があれば過去問特訓のB問題やC問題が解けなくてもある程度解けます。ただ、もし時間があれば過去問特訓等の応用的な問題集は解くべきです。近年の京大は易化と同時に、計算量の増加の傾向が見られます。なので、問題慣れをしておくことが重要であると思います。より多くの問題と出会う為に、過去問特訓等の問題も解いておいた方が良いです。ただ、多くの問題と出会う為に参考書1冊1冊を疎かにすぐらいなら、使う参考書を絞って、少ない参考書をやり込んだ方が良いと思います。

合格る確率+場合の数

高校範囲の確率の知識が非常に重要となってきます。この本は非常に分かりやすいです。例題1題と解説、類題1題が見開き1ページにまとめられており、非常に復習もしやすい構造となっています。また、付属のカード(単語カードみたいな形)は表に問題、裏に考え方と答えが簡潔に書いており、復習には持って来いです。非常におすすめです!

複素関数論

ヨビノリの動画で、非常に分かりやすいです。ただ、京大で出題されることは少なく、他に不安な分野があるのであれば徹底研究でサクッと終わらせ、不安な分野に時間をかけた方がいいと思います。

物理

下記の教科書を完璧にすれば特に問題なく京大の入試は解けるようになります。学校の授業の質が良かったこと、物理が得意だったこと、授業は完全に理解するまで深堀してたことが理由で、入試の全教科の中で一番勉強時間が短かったです。マセマシリーズは何周も読みました。大学生の力学は2周、大学生の電磁気学は1周しました。電磁気学は2年生の時に電験三種取得の為に勉強していたので、受験勉強を始める前からある程度の基礎は固まっていました。過去問題をパラパラと見て、どの様な問題が出るのかを確認しながら勉強しました。特に、大学生の電磁気学には載っていない電磁波の範囲(過去に出題された)はマセマの電磁気学で集中して勉強しました。

使用教材等

マセマ

問題を解けるようになるだけだと、初見の問題が出た時に少ししんどくなると思います。なので、マセマシリーズを読んでしっかりと理論を固めることが重要だと思います。私は証明等も出来るようになるまで読み込みました。

大学生の〇〇

致命的な誤植も多いが、編入試験にはうってつけの問題集です。物理は京大だからといってとても難しい問題が出るということはないので、この問題集で十二分に対応できます。

化学

地球工は分からないですが、他学科では化学を捨てて受かっている方もいます。ただ、化学は絶対に勉強した方がいいです。京大化学は範囲がとても広く、大学範囲からの出題もあり、勉強するのは大変です。ただ、化学を捨てて良いことは全くないと思います。何故なら、物理を80点から100点へ上げるより、化学を0点から20点(更には30点)へ上げる方が圧倒的に容易だからです。即ち、ある程度できている数学や物理の伸びしろより化学の伸びしろの方が圧倒的に大きいということです。私は勉強を始めるのが遅かったので化学を半分捨てる形となってしまいましたが、逆に言うと半分くらいは勉強していたので、多分本番で20点くらいは取れたと思います。(ただ、非化学系出身者だと、京大編入において一番難しい科目は断トツで化学になると思います…)

使用教材等

以下ヨビノリ(YouTube)

(高校範囲)理論化学

鎌田の理論化学、化学重要問題集、この2冊をやり込めば十分だと思います。鎌田の理論化学は読みやすくまとめられておりインプットに秀逸で、化学重要問題集はアウトプットにもってこいです。ただ、私は時間がなかったので6月にそれぞれ1周したっきり勉強しませんでした。結果、入試は全然解けませんでした(化学平衡が出題された)。

有機化学

しゃぴんさんがお勧めしていた困ったときの有機化学をベースに勉強しました。学校がある時は放課後に化学コースの知人に数日だけ付きっきりで教えて貰っていました。困ったときの有機化学は他の参考書と比べ異質です。勉強していく上で、「なぜ?」という疑問を一回捨てて進む必要がある箇所が存在します(後に複線回収されます)。なので、化学コースの人は、「その順番で進むの、変だね」とよく言っていました。ただ、独学する上では非常に使いやすく、分かりやすいと思います。私は時間の都合上、上巻だけを完璧にし下巻はほぼ手つかずとなりました。上巻では命名法や反応等を全て紙にまとめて暗記しました。夏休みは幼馴染が神戸大学理学部化学科だったので、一緒に勉強会をしました。基本的に勉強会では黙々と困ったときの有機化学を進め、分からない所があったら幼馴染に聞く、という形で勉強してました。その時に、補助教材としてボルハルトショアー現代有機化学を使いました。この教科書は上巻だけで900頁くらいあるのですが、困ったときの有機化学より内容が丁寧で、補助教材として非常に役立ちました。また、受験の1週間前には1日中、学校の黒板を使って、板書を書く感じでアウトプットをして知識を整理しました。

無機化学

高専で軽く使っていた演習で学ぶ無機化学を使っていたのですが、この参考書は良くないです。まず、誤植が多すぎます。正誤表が出ていますが、正誤表に載っていない誤植の方が多いくらいです。また、説明があまりにも省略されています。化学を勉強していない人が手に取る教科書では決してないと思います。次に福田貴光(YouTube)の基礎無機化学を見ました。内容が少し応用的なところもありますが、結構わかりやすかったです。それでも軌道に対する理解が完璧には出来ていなかったので、ヨビノリの化学結合論入門を一気見して理解しました。最終的に、無機化学は結合に関する部分だけ重点的に勉強しました。エンタルピーの範囲は理論化学や熱化学でも勉強したので、無機化学では勉強しませんでした。

物理化学

化学の中で一番難しいと思います。最初にヨビノリの動画を見たのですが、一周だと全然知識を定着できませんでした。その後に単位が取れる物理化学ノートを進め、分からない所はヨビノリの動画で取った板書を見返す、といった形で勉強を進めました。時間が無かったことと、京大編入ではそこまで難しい範囲が出ることはあまりなさそうに感じたので、講義08の化学平衡までしかしませんでした。ただ、講義08までは完璧にする為に、学校の黒板を使って、板書を書く感じでアウトプットをして知識を整理しました。

専門科目の勉強

ほっとんどしてません。学校で面接練習をしたことは併願(長岡技科大、名古屋大)含め一回もしたことないです。受験した大学全て受験が2日だったので、全て1日目が終わってから勉強しました。完全に答えられなくても良いので、なんとなくでも覚えている状態になる程度まで勉強しました。

京大に関しては筆記試験が終わって正直絶望してしまったので、帰ってからもちゃんと勉強しませんでした。夜の7時くらいから京大高専会に載っている情報をまとめ、対策プリントを作って寝ました。

水/土/構造は授業で理解していました。それに加え、長岡技科大の筆記試験対策と、名大の口頭試問対策を1日だけでもしていたので、京大受験に対して力を入れて勉強はしませんでした。

計画系は学校で授業がほとんど行われないので、捨ててました。京大高専会に載っていた、過去に出された問題だけを答えられるようにしました。

数学/物理に関することも聞かれていたと載っていたので、過去問だけを確認しました。

お薦めの参考書

英語

数学

物理

化学

TOEFLの点数

52(R12,L11,S14,W15)

編入試験の出来

一般科目

※また点数開示したら掲載しようと思います

面接(口頭試問)

形式

待機室にて待機し、一人一人口頭試問が行われていき、口頭試問が終わった人から帰れました。私は5人目だったので集合時間から約2時間後に口頭試問が開始しました。

試験室に入ると面接官が横1列で4人座っていました。向かって左から山本貴士教授、後藤仁志教授、村田澄彦教授、松田知成教授だったと思われます。

時間は1人20分~30分程度でした。

聞かれたこと

ぼっこぼこにされて落ちたと思い、文字起こしするのが合格発表後になってしまったので、正確でない部分があるかもです。

後藤先生

山本先生

=数学終了=

村田先生

=物理終了=

松田先生

=化学終了=

後藤先生

=面接終了=

約30分

コメント

 専門試験のことはほぼ聞かれませんでした。ほぼ専門試験のことしか勉強していなかったので、終始タジタジでした。

普段の学校で、友達に物理を教える時に黒板を使って授業形式で教えていました。その為、物理の口頭試問で黒板を使う際は緊張しながらもスラスラと書けました。

何がどこで生きるのかが分からないので、日頃の授業や友達との教え合いなどを大事にして下さい。

志望動機

私は関西の人間なので、小さい頃から何となく京大かっこいいなぁと思っていました。

部活は水球をしており(私の代は弱小でした)、その水球を辞めて受験勉強を始める際に、顧問に部活へ引き留められ、勉強に集中するからには京大を目指す、といったことが京大を目指す最初のきっかけでした。更に4年生の基礎研究を始めると、より高度な研究をしてみたいと思うようになり、本格的に京大を目指すようになりました。

受験生へ

The only place where success comes before work is in the dictionary

本気でやり切って下さい。自分の為にも、自分を支えてくれている周りの人の為にも本気で挑んでください。私の場合、周りの支えが無ければ絶対受かってなかったです。化学を教えて貰ったり、5年生になってからは学校のテスト勉強を教えてくれたり、etc。周りには「どうせ無理だって」っていう人もいるかもしれないです。そんな人には「絶対受かってやる」と奮起してください。本当に自分の京大合格を信じて待ってくれている人もいます。京大入試は他の入試よりも遅く8月末で、そこまで待ってくれている人がいます。その人と一緒に喜ぶ為にも全力で頑張ってください。入試は結局は個人戦なのは間違いないです。ただ、本当に一人だけで戦っている訳ではないということを忘れないで下さい。そしたら、最後まで全力で戦えると思います。

私は勉強時間1200時間と非常に短くなってしまいました。もし時間が無いのであれば、計画をしっかりとして下さい。参考書は絞って、それを完璧にする方が個人的にはいいと思います。あと、過去問より参考書や問題集に載っている問題の方が汎用性が高いので、過去問を見てどんな問題が出るのかを確認しつつ問題集の問題を解くのが良いかと個人的に思います。

大阪公立大高専、他高専関係なく、受験で困ったときは遠慮なく以下のツイッター にDM送って下さい。私が京大高専会の方々を含む色々な人の支えの上で受かった様に、受験生の皆様も周りの人や私を頼ってください。全力で応戦します!

@n_cola_r

2024年09月09日 by コーラ