京都大学高専会
体験記(かわ)

ハンドルネーム

かわ

編入学年度

令和3年度

京都大学での学科・コース

情報学科

高専時代の順位

詳しい席次を見たことがないですがたしかこのくらいだったような気がします。平均点は93か4あたりです。

他大学の受験状況

編入の勉強を始めた時期と勉強時間

 受験勉強を開始したのは多分3年生の終わりと4年生スタートの間くらいだったような気がします。はじめは東大を受けることも視野に入れて自分で微分方程式や複素関数、確率をやっていました。実際に本格的に受験勉強を始めたのは4年の夏休みごろなのでそれまではゆったりと勉強していました。

 勉強時間は平均すると一日4時間くらいだと思います。一日8時間やる日や何もしない日などがあるので気分によって一日の勉強時間は変わってます。今年はコロナの影響か5年生で勉強する時間が取れましたが、基本的に5年生で安定して勉強できる時間を取るのは難しいと思うので早い時期から編入勉強をすることをオススメします。

 早い時期から始めたのは、自分は怠け者でやる気が基本的にない人間なので、早めからやっておけばゆったり勉強しても間に合うだろう程度の気持ちで勉強してました。実際各大学の入試前もだらけつつ勉強していました。

一般科目の勉強

英語

 英語の勉強の仕方がよく分からなかったのでとりあえず四年生の初めは

を読んで単語を覚えていました。DUOは正直向き不向きがあるので自分に合うなと思ったらやってもいいかもしれないです。自分はあまり合ってなかったような気もします。四年の後半ごろになって東大の対策用に英文読解や英作文の力をつけるために

をやっていました。ドラゴンイングリッシュは正直ほとんど覚えてないです。ポレポレよりも英文読解の透視図がかなりわかりやすく長文読解の練習にもなり、英文読解の透視図の方ははじめ学んだ内容が後々出てきて復習にもなる構成になっているので非常にオススメできます。英文読解の透視図をやってれば編入程度の英文は単語を知っているならおそらくほとんど読めるようになれます。読めないものがあったら多分ほかの受験生も読めないと思います。ハイパートレーニング和文英訳は英作文のエッセンスが詰まっているので英作文を上達させたいならこの一冊を完璧にすると結構力が付きます。

12月や一月は基礎がある程度固まった気がしたのでTOEFLの対策として、

をやっていました。TOEFL単語帳はレベル2くらいまで完璧にしておくとスムーズに読解が進むような気がします。極めろ!シリーズはTOEFLの勉強で使うのに結構おススメの本です。

 2、3月くらいはTOEFLの対策や英作文の仕上げとして

を使い勉強していました。この本はハイパートレーニングの和文英訳編をやってからやると結構ためになり、ただの英作文以外にも今年京大で出た表やグラフを見ての英作文などもあるのでオススメです。

 いきなり「TOEICのための勉強」や「TOEFLのための勉強」をやっても英語の力はつかないので、個人的には英文読解の透視図などで読解力を固めて基本単語などを単語帳で覚えてからTOEICやTOEFL頻出単語を覚えることをオススメします。基礎ができていない状態で対策しても伸びることはあまりないです。

数学

 数学は三年次の終わりから四年次の夏ごろにかけてはとりあえず微分方程式と線形代数をやっていました。教材は高専で使ってた大日本図書の色付きの教科書とみんながよく使う

を使っていました。編入数学過去問特訓は4年の最後くらいに買ってそこからやりました。京都大受けるならC問題までやりましょう。

 四年の夏休み付近で複素関数を急にやりたくなったので1週間くらいでとりあえず全体を一周しました。教材は上のと同じです。

 四年の終わりごろには確率に弱いと感じたので、

を使って勉強しました。確率はセンスなどが必要に感じますが、量をこなすと解き方が自然と分かるので量をこなして経験で補いましょう。

 それ以降はベクトル空間や苦手な問題などを探して勉強していました。たまに問題を考えたり、解析概論という本を眺めたり、息抜きとして数学をやってました。京大の試験前は教科書を見返して、すべての証明などを復習していました。

物理

 一番苦手と感じていた教科で正直はじめは問題の解き方がよく分かりませんでした。とりあえずは学校の物理や電磁気の授業に合わせて、

の問題を解いていました。

 四年の終わりごろは高校物理的な問題にも慣れておこうと感じ、

をやってました。また、必要に応じてYoutubeでヨビノリさんやなぎらアカデミーさんの量子力学や力学、電磁気学などの講義をみて復習していました。

 五年の4月くらいから過去問などを解き始めたのですが、思ったより問題が解けず結構焦りを感じていたので、

などの教科書でもう一度復習したり問題集を解いていました。

 物理は、はじめは全く解けないと思いますが量をこなすにつれて物理学的な考え方がだんだんできるようになり、問題が解けるようになります。問題が解けない=理解が浅いという感じなので、どこの理解が浅くて解けないのかなどを考えて法則の意味などをもう一度しっかり確認しましょう。数をこなすのも大事ですが、初めて見る問題に対して基本原理から考える力が必要になります。数学などでいう「解法暗記」ばっかりに頼っていると物理の力はあんまり伸びないので、基礎から考える思考力を鍛えると物理が安定すると思います。

 なぜそうなるか、なぜこの法則は使えない/使えるかを考えながら勉強しました。

化学

 一か月とちょっとしかやってません。東大の受験が終わった後に急いで始めました。

使用した教材は

などです。物理同様、ヨビノリさんやなぎらアカデミーさんを必要に応じてみました。一か月半くらいでとりあえず高校理論化学と高校有機化学を終わらせてマクマリー上をある程度理解したくらいです。

専門科目の勉強

特にしてません。面接前にアルゴリズムのオーダーや数理的なアレコレを携帯で見ていた程度です。

お薦めの参考書

数学は、

が個人的にオススメです。問題集は編入数学徹底研究などのみんながやっているものを完璧にしておくといいと思います。調べれば大学などの資料がすぐ出てくるのでそれを使って勉強するのもオススメです。

英語は、京都大の対策なら

がオススメです。英文読解の透視図はどこの大学でも対応できる気がします。

物理は、特にこれ!とオススメできるものはないですが、京都大学の合格を考えているのなら、

あたりです。理論物理的な問題が多いので証明などを教科書で数回やるのをオススメします。黄色い物理の本はいくつかあってどれかは忘れましたが証明の多い本があるのでそれをやるのもいいかもしれません。

化学は短い時間しかやってませんが、

などがオススメだと思います。

TOEFLの点数

61 (R: 18, L: 14, S: 12, W: 17) 三月ごろ受けました。

編入試験の出来

一般科目

 数学は結構簡単な年でした。感染症数理モデルを立てたり、感染率の確率などを解く問題があり時事的で面白かったです。いくつかの問題で解答の論理をミスしてしまった部分を考えても少なくとも8割は取れていると思います。

 物理学は今年は比較的難しめの年だったのかなと思います。力学は単振り子の上部が動く(問題では固定されてた)問題で、一部の問題がよく分からず解けませんでした。代入するだけ?の問題のようでしたが代入しても出なかったので自分の計算ミスかそもそも数式を間違えている可能性もあります。(3)くらいの問題で、二階微分をξやθを用いて表せという問題でξが出てこなかったので多分間違えてました。

 電磁気学は口の字をした回路の中心からずれた位置に導体棒を置いて磁場や初速によって振動させるという問題でした。はじめ問題を見たとき20分くらい固まってしまい落ちる気がしていましたが、電磁誘導やキルヒホッフの法則などの基本法則をコネコネしていたらそれっぽい答えが出てきました。後半の方で振動の近似を間違えたのと振動が減衰したりする理由で変なこと書いた以外は多分あってそうです。

 化学は過去問の総まとめ?みたいな問題で一部難しい問題がありました。埋めた割合で言えば6、7割は埋めたのですがあっているのは多分2,3割程度のような気がします。問題は熱力学的な問題、共鳴構造を書く問題、格子エンタルピー?(エネルギー図を使う問題)を求める問題、異性体数と安定配座を求める問題、なんかよくわからない理由を回答する問題、炭素鎖などの安定性?反応性?の大小を求める問題、tertブチルベンゼンのようなものにCH3I/AlCl3->H2SO4, HCL->KMnO4?みたいに色々作用させていく問題とかがありました。あんまり覚えていないで間違えてるかもしれないです。

 英語は問題文もすべて英語で、大問三つ程度のあとに(少なくとも)150字英作文がありました。True, False, Not Givenを選択する問題でFalseとNot Givenの区別がつかず迷いましたが全体的にはかなり簡単な問題でした。英作文で200字程度書いても30分ほど余ったので見直しをしていました。英作文は2019年と2020年の支出高かなにかの図を見ての英作文でした。

面接(口頭試問)

形式

面接官が四人いて、少し離れて質問されたことについて答える形式でした。ホワイトボードはなくただ口頭で回答する形式で、数理工学コースは一人当たり大体20分の面接でした。

聞かれたこと

といった内容を20分程度話していました。面接の雰囲気は割と明るく、自分が話すと笑いが起きたり、面接官同士が笑いながら話したりもしていてかなり楽しかったです。最後の最後で英語面接が始まると思い内心ビクビクしてましたがそのまま終わりました。

コメント

 化学0点でも受かっている人はいますが、確実に合格したいなら化学は必ずやってください。もし化学を解かないと考えているのなら物理で二時間かけて8割以上くらいを取る必要がある気がします。化学は、最近は高校の理論化学、熱力学(熱化学?)、大学有機化学の範囲をよく出題している気がします。今年は理論化学が一問くらいしか出ませんでした。

 マルコフニコフ則やフリーデルクラフツ、Diels-Alder反応くらいはやっておくといいかもしれません。

志望動機

 高専よりも、より深く数学や物理などの分野を学ぶことができ、レベルの高い環境に身おいて勉強や研究をしてみたいという理由で面接でも答えました。特に何も言われなかったので面接での志望動機がこれでも突っ込まれることはないように思います。

受験生へ

 京都大学の定員ですが、おそらく各学科のコース別で2人だけしか取らないように思います。去年は電気電子が9人、今年は情報学科の志望者が11人(?)ほどで、それぞれ受験会場には7人ほどいて、合格者は各コース2人でした。人数が極端に多くなる年もあると思いますが、相対的に学科上位2人に入れるように頑張ってください。

 試験中、できなかった!と感じてもあきらめずに解きましょう!多少ミスをしていても合格はできるので無理に気張らず解ける問題を丁寧に解きましょう。あなたが解けない問題は、きっと他の受験者も解けないと感じているはずです。勉強ばかりに身を入れずにたまにはゲームなどをしてリラックスもしましょう。息抜きで数学する体にならない程度に遊ぶことも大切です。

2020年09月03日 by かわ