編入学年度
平成17年度
京都大学での学科・コース
電気電子工学科
編入の勉強を始めた時期と勉強時間
僕が受験を決意したのは3年の夏です。本格的にやりはじめたのは4年の夏です。
一般科目の勉強
以下に紹介するもの以外にもやりましたが、主に参考にしたテキストを載せます。テキストをやる順番の目安として、費用対効果のランクをつけています。★★★のテキストは全てやりました。★★のテキストは約半分の内容をやりました。★のテキストは参考にした程度です。
- ★★★:勉強したことがすぐ得点に結びつきやすいです。
- ★★ :中間
- ★ :勉強したことが比較的得点に結びつきにくいです。
- ☆は学校で使っていたテキストです。
英語
- 速読英単語 初級編(自分の力に応じて適宜)
- 山口英文法などの文法書一冊(適宜)
- 速読英単語 必修編(★★★)
- 速読英熟語 (★★★)
- 速読英単語 上級編(★★)
- 多読英語長文 (★★)
- 京都大学研究 英語(理系素材★★、文系素材★)(英作の練習ができます)
- TOEFLテストCBTボキャブラリー基本編(★★)
- TOEFLテストCBTボキャブラリー完成編(★★)
- The Feynman Lectures on Physics Vol.1~Vol.3(★)
- 雑誌Nature(★)
※CDの書き取りと音読という方法が非常に効果がありました。英作は、過去問を解いて先生に添削してもらいました。
数学
- ☆線形代数、☆微分積分I、☆微分積分II(大日本図書)(理論および例題と演習問題全部★★★)
- ☆高専の数学問題集3、高専の数学問題集2、基礎演習 微分積分(田代義宏)、詳解演習シリーズ、明解演習シリーズなどからいくつか(★~★★)
物理
-
力学
- ☆初等力学(甲木伸一。3年の教科書)(理論と例題★★★、練習問題★★)
-
電磁気
- ☆電気磁気学(3年の教科書)(波動を除く)(理論と例題★★★、練習問題★★)
-
総合
- 新物理入門IB(山本義隆。駿台文庫)(★★★)
- SEGハイレベル物理IB(★)
- ファインマン物理学1~5(★)
※甲木伸一の力学の教科書は試験対策に特によかったです。
化学
- BASIC 有機化学(京大の指定教科書)
過去問の使い方について
過去問がある程度解けるようになったのは、一般科目では★★★までやったときでした。このとき、自分に何が足りないのかがだいたい分析できるようになりました。
専門科目の勉強
電気数学
- ☆応用数学(大日本図書) 複素関数論の章練習問題まで(★★★)
電磁気学
- ☆例題演習電磁気学(5年の教科書)(3章まで)(★★)
- 理論電磁気学(砂川著。有名)
※専門の電磁気学は静電場までしか出題されていません。
電気回路
- ☆電気回路I(3年の教科書)(2、3、5章)(★★★)
※記号法をやったあと共振回路、ブリッジ回路、磁気結合回路など。
電子回路
- 電子回路(4・5年の教科書)(増幅回路やオペアンプ)(★★★)
※理論が大切なようで、複雑な回路は出ていません。練習問題のような問題も出ませんが解いておくと理解が深まります。
論理回路
- ☆論理回路の基礎(2年の教科書)(★★★)
※主に講義ノートで勉強しました。
材料工学
- ☆基礎電子工学(1年の教科書)(3、5章)(★★)
- ☆半導体工学(4年の教科書)(PN接合、金属との接合など)(★)
- ☆応用物性論(4年の教科書)(★)
※液晶と光ファイバーが良く出題されています。
過去問の使い方について
専門科目は、専門が同じなら3~4年頃ならいきなり過去問を見てもだいたい感じはつかめると思うので、まず過去問を見てからターゲットを絞って勉強すると良いと思います。
編入試験の出来
一般科目
- 英語:8割
- 数学:7.5割
- 物理:4割
- 化学:4割
難しかったですが得意科目でしたので解けました。
基本的な問題でした。確率が解けませんでした。
電磁気学の積分が解けるかどうかが完答できるかにかかっていたようです。
体系的に自主学習をすれば得点でき差のつく教科だったと思われます。
専門科目
- 複素関数:1割
- 電磁気学:9割
- 電気回路:4割
- 電子回路:8割
- 論理回路:10割
- 材料工学:6割
難しくはありませんがミスしました。17年の過去問のようにローラン展開を2~3つに場合わけして解く形式を練習しておきましょう。答えられない受験生が多いようでした。こは差のつく教科ですので得点できたら有利だったでしょう。
専門の電磁気の教科書をしっかりやれば得点できました。
基本的でしたが時間が足りませんでした。
基本増幅回路についての理論的な内容でした。
論理回路は過去問が解ければ本番でも解ける感じです。
物性論が出たので解けるかどうかは物性論の授業があったか/その授業をしっかりやっていたかにかかっていたでしょう。回答に時間をとられました。この教科は余裕があれば得点を取りにいくという方針でもいいかもしれません。
面接(口頭試問)
聞かれたこと
- 京大の志望動機
- 高専の志望動機
- (できなかった教科名)はどうでしたか?(~はできなかったね、とは言われなかった)
- 将来やりたい分野
- 卒業研究について
- 大学院には来るか
- 3年かかることもあるが良いか
- 高専時代打ち込んでやったことは何か
- 高専時代何の本を読んだか
コメント
終始、発言が淡々としていて厳かな雰囲気でした。
受験生へ
試験の特徴
化学と英語以外は教科書の例題あるいは練習問題のレベルで出題されています。
あと非常に勘違いしてる人が多いのでいいますがまずこの試験は競争試験というよりは資格試験です。今年は受験者が何人で募集人数が何人だから今年は倍率が○倍といいますが合格者がこの人数くらいのうちはたぶんあまり関係ありません。京大はできればとってくれます。18年の募集人数が20名程度となったのは、17年に合格させた実績が20人だったので今年もそのくらい実力のある人が集まるかなーという予想でしょう。
倍率は去年は2倍ちょっと、試験中にあきらめて寝ていたこう言っては失礼ですがやる気のない記念受験のような人を除けば実質2倍切るでしょう。つまりきちんと準備してきている人は結構高い割合で受かっているということです。基準は一般4教科を考慮して専門の出来で決まります。感覚としては、一般4教科平均4割、専門5割くらいとればいいのではないでしょうか?平均の話ですが。「一般を考慮して専門で決める。一般悪くても専門がよかったら合格にするが逆はまずない」とは編入試験担当の先生の話です。あと学科間の違いもあまり無いと思われます(面接だけの地球工はわかりませんが)。
あと京大の特徴は英語ができなくてもとってくれることです。0点に近くてもとってくれるようです。反対に英語を重視しているのは東大です。英語得点できなければ合格できないようですから・・・。
編入勉強をするときにその大学への対策として行ったことなど
合格するには自分で教科書を読みすすめる力が不可欠だと思われます。それは、授業内容と編入試験内容が異なるため、自分で対策をたて勉強しなければいけないからです。僕は4年の後期からこのやり方ができるようになりました。はじめる時期が早いほど有利です。また、授業中は寝ずに何らかの勉強を行ったほうが良いです。僕は化学と英語以外は参考書には頼らず学校で使っていた教科書の理論をやるほうが遠回りのようで結局は近道でした。
編入学試験を通して思ったことなど
「自分には才能がない」とか、「自分は今勉強せず遊んでいる」と言って、将来の合否の言い訳を自分自身に対して作りたくなるのですが、僕は「落ちても、過去の自分に言い訳がつかない」くらいのつもりで勉強することにしていました。「もっと手を抜けばよかった」という後悔は聞いたことがありませんから。