ハンドルネーム
Saki
編入学年度
平成25年度
京都大学での学科・コース
電気電子工学科
出身高専・学科
岐阜高専 電気情報工学科
高専時代の順位
- 1年:1番
- 2年:1番
- 3年:1番
- 4年:1番
他大学の受験状況
- 岐阜高専 専攻科:合格
- 名古屋大学 電気電子工学科:不合格
編入の勉強を始めた時期と勉強時間
編入試験の勉強を始めたのは、研修旅行明けの11月中旬くらいです。まず、数学の徹底演習を少しずつ解き始めました。その後、冬休みに入り、正式に京都大学と名古屋大学への編入を決めました。でも冬休みはほとんどバイトをしていたので、冬休み明けから本格的に勉強を開始しました。1月の間に2章まで終わらせ、2月は期末試験や課題が重なりあまり編入の勉強はできませんでした。春休みに入り、1、2日間で徹底演習を1章とき終えるペースで1日少なくても8時間は勉強しました。春休みの休息は週1で日帰り温泉にでかけたことくらいです。3月中旬頃には徹底演習を一通り全ての問題を解き終え、TOEFLの勉強に取り掛かりました。4月22日にTOEFLの試験を受け、スコア表が届いたのが6月30日で、受験申込期限の4日前だったので、TOEFLの受験は早めに済ませておくことをお勧めします。(通常1ヶ月程でスコア表が届くはずなのですが、私の場合は郵便がどこかで止まってしまっていてとても焦りました。)4月に入ってからは、平日は授業後から研究室で4~6時間、土日は7時~13時までバイトをしていたので、その後8時間ほど勉強していました。具体的には、
- 4/23~約2週間:京大の数学の過去問を10年分解く
- 5/ 7~約2週間:電気回路の教科書の問を全て解き直す
- 5/20~約1週間:電磁気の教科書の問を全て解き直す
- 5/28~約1週間:名大の数学の過去問を解く
- 6/ 8~約1週間:専攻科の勉強+専攻科入試
- 6/14~24:名大の化学の過去問を解く
- 6/25~約2週間:名大の物理の過去問を解くが、ほとんどわからず放課後物理の先生に教えてもらう。
- 7/ 8~約2週間:物理の過去問を2周ほど解き直す
- 夏休み~:毎日地元の図書館で6時間ほど勉強する
- 8/1.2:名大受験→落ちたと確信
- 8/3~:基礎力が足りないと気づき、新たに数学の参考書2冊、物理の参考書1冊を購入。
- 8/20.21:京大受験
京大の化学は難しかったので諦めました。
専門の口頭試問はなんとかなると信じて、数学と物理の問題をひたすら解く。
一般科目の勉強
基本的に、過去問を中心として、過去問をときながら自分が理解できていないところを図書館の本で補強していく形で勉強していました。
英語
春休みの間毎日COCET3300の単語をひたすら暗記しました。インターネットにCOCETのサイト(現在は閉鎖しているかも・・・)があったので、それを利用して語彙力を増やしました。文法などについては特に勉強していません。学校の図書館にあったTOEFL対策の参考書を借りてきて、一通り勉強したくらいです。
数学
春休み中に「大学編入試験問題 数学/徹底演習」を一周解き、あとは各大学の過去問を約9年分解きました。その中で自分が苦手なところを適宜図書館で本をあさり勉強しました。名古屋受験前は教科書の証明等を一通り見直しました。受験後新たに参考書を2冊(線形代数と微分積分)買い、より基礎的な公式、証明にも目を通し基礎力を上げました。
物理
物理を勉強したのが7月入ってからととても遅かったですが、どちらの大学も力学と電磁気の2つに分かれていて、電磁気は元々専門で習っていたので力学を中心に勉強しました。これも過去問を約9年分解きましたが、名古屋の過去問を解くだけで力尽きてしまい、京都は一通り目を通しただけでほとんど実際には解いていません。力学は苦手だったので、2日に1度のペースで、放課後や授業の合間に物理の先生に過去問を中心とした特別講義をしてもらいました。名古屋の受験後に買った参考書を8月はひたすら解きましたが、当日の試験では名古屋用に勉強していた範囲が出たのでラッキーでした。
化学
京都用にはほとんど勉強していません。岐阜高専では化学の授業が2年の前期には終わってしまい、それ以降全く化学に触れていなかったので、一から勉強を始めないといけないレベルでした。なので、ある程度基礎的な問題は解けるように、2週間ほど名古屋の過去問を解いて勉強しましたが、暗記しないといけない量が多すぎて、化学の勉強は2週間で諦め物理に注ぎました。
専門科目の勉強
専攻科用に勉強した電気回路と電磁気、名古屋用に勉強した電子回路しか勉強していません。授業のプリントや教科書の問を解き直しました。一応、3年次編入だった頃の京大の専門の過去問にも目を通しましたが、電気回路、電磁気、電子回路は解けそうだったので、そこまで口頭試問のために勉強はしていません。
お薦めの参考書
- COCET 3300
- 大学編入試験問題 数学/徹底演習
- 理系なら知っておきたい数学の基本ノート[線形代数編]
- 線形代数[改訂版] :石垣春夫他著、森北出版
- 微分積分学の基礎 :古田文男他著、森北出版
- 大学1・2年のためのすぐわかる演習物理
- 基礎 物理学演習:後藤憲一他著、共立出版
- 橋元の物理をはじめからていねいに 熱・波動・電磁気編
名大の受験後に購入。教科書でも省かれているような証明まできちんと書いてある。
名大の受験後に購入。上記の線形代数と同じシリーズ。
大学編入の問題が集めてある参考書。力学と電磁気の部分だけ解いた。
名大の受験後に購入。大学編入対策の本ではないが、全て解き方がついていてわかりやすかった。
名大の過去問で電池の仕事に関する問題があり、そこでわからない箇所があったので図書館で借りた本。電磁気のところしか読んでいないが、とても分かりやすかった。
TOEFLの点数
47
先ほども書きましたが、スコア表がアメリカから郵送されるので、いつ届くかわかりません。私のスコア表が日本に届いたかすらわからず、再発送してもらいました。再発送をしたのがギリギリで、間に合わないと思いましたが、どこからか私のスコア表が出てきて、無事願書提出に間に合いました。受験後1ヶ月経ってもスコア表が届かない場合は早めに再発送や郵便局に問い合わせることをお勧めします。よくこういう事があるみたいで、再発送は無料でしてもらうことができます。(再発行は有料です)
編入試験の出来
一般科目
- 数学:7割程度(2問完答)
- 物理:9割程度(電磁気完答、力学は最後の1問以外完答)
- 化学:0.5割(最初の小問1つしか解いていません。あとは白紙です。)
化学は全くわからなかったので、その分物理を丁寧に解きました。化学で唯一解いた問題も答えが合っている自信はありません。
面接(口頭試問)
形式
面接時間は約30分です。最初の15分で普通の面接が行われ、残り15分で口頭試問が行われます。面接官は7~8人くらいが一列に座っていました。
最初の面接では、主に1人の面接官から色々質問をされます。周りの面接官はメモをとっている程度です。面接で聞くことが紙に書いてあるみたいで、面接官はその紙を見ながら1つずつ質問をするという感じでした。
聞かれたこと
- 志望動機
- 入りたい研究室→(具体的に答えたら)→どんな研究がしたいか?
- もし入学したら修士と博士どちらの過程に進みたいか。
- もし入学したらどんな風に勉強したいか。
- 卒業後どんな仕事につきたいか。
- 好きな科目→どんなところが?
専門に関する問題1問と物理か数学の問題1問(問題をみてから自分で選択できます)の合計2問です。面接の後、「これから口頭試問に入ります」と言われ、一番左端の人から問題と下書き用の紙と鉛筆、消しゴムが渡されました。「2、3分時間をあげるからその間に軽く解いてみて下さい」と言われ、ある程度時間が経つと、「では、これからその問題について後ろのホワイトボードを使って解き方を説明してください」と言われました。
まず、専門に関する問題ですが、ブリッジ回路の真ん中が開放のとても簡単な回路です。RLCが直列や並列につながれていて、可変のRとCの値を求めろという問題です。ブリッジの平衡条件を使って実部どうし、虚部どうしを比較したら一瞬で答えが出る問でした。なので、初めに回路図を書いて「ブリッジの平衡条件より・・・」と書き始めたら、面接官の人に、ブリッジの平衡条件の導出の仕方とか、コンデンサの性質?(周波数高いときはコンデンサの抵抗は大きいのか小さいのか)などを突っ込まれました。先ほどの面接の時とは違い、7、8人いる面接官が自由にツッこんできます。ある程度、答えへの道筋が見えたら「ま、このあとはその式変形したら答えでるんだよね?」と言われ、途中で切られました。
次に、物理と数学の問題を渡されます。これは両方とも同時に問題を渡され、問題を見てから解けそうな方を選んで解きます。
物理は、光の問題で
sin a / sin b = n1 / n2
みたいな違う媒質に入射する光の屈折角の公式(スネルの法則?)の証明でした。
数学は、固有値、固有ベクトルを求めて、そこから何か直線の式を求める問題でした。(あまりしっかり覚えていなくてごめんなさい)私は物理の光の分野を全く勉強してなかったので数学を選択しました。最後の直線の式は聞かれていることがよくわかりませんでしたが、出来るとこまで解こう!と思い、数学を解きました。固有ベクトルまでは普通に求めてそのあと「えっと、直線の式なんですが…」と固まっていたら面接官の人が「固有ベクトルの直線図示してくれる?」と救いの手を差しのべてくれました。そのあと
- 面接官「その直線の関係は?」
- 私「直角に交差します。」
- 面接官「どういう行列だとそういう関係になるの?」
- 私「えっと、たぶん行列式のここの値が一緒で…」
と最後の方はちゃんと答えられず、時間がきてしまって打ち切られてしまいました。
あと、焦って固有ベクトルの導出で計算ミスをしてしまいましたが、そこも面接官の人がミスしていることをやさしーく教えてくれました(笑)
受験生へ
私の編入試験の結果は、名古屋大学は不合格でしたが、京都大学は合格することができました。TOEFLのスコア表は受験から2ヶ月後の願書締め切り4日前に届いたりと、私の編入試験は本当にたくさんのハプニングが起こりました。つまり、人生何が起こるかわからないという事です。だから、私の様にギリギリになってから行動するのではなく、どんなイレギュラーな事が起きても対応できるように早め早めの行動を心がけてみてください。編入試験では、たくさんの大学を受験することができますが、その大学への受験の機会は1年で1度だけです。ぜひ、その1回でみなさんが全力を出し切り、来年、再来年・・・京都大学でお会いできることを楽しみにしています。