京都大学高専会
体験記(muro)

ハンドルネーム

muro

編入学年度

平成23年度

京都大学での学科・コース

工業化学科 工業基礎化学コース

出身高専・学科

富山高専 物質工学科

高専時代の順位

  • 1年:1番
  • 2年:1番
  • 3年:1番
  • 4年:1番

他大学の受験状況

  • 東京農工大学 工学部 生命工学科:合格
  • 名古屋大学 工学部 化学・生物工学科 生物機能工学コース:合格
  • 東京工業大学 生命理工学部 生命工学科:合格

編入の勉強を始めた時期と勉強時間

 3年の頃から数学の復習をコツコツと始め、英検取得のために英語を勉強していました。本格的に編入のために勉強を始めたのは、4年になってからだったと思います。その頃はせいぜい平日2時間程度休日5時間程度でしたが、5年になると平日4時間程度、休日は10時間程度していました。とにかく辛かったことだけが記憶に残っています。

一般科目の勉強

英語

 英検の勉強以外は、特に特別なことをしませんでした。英語の能力の向上にはとにかく時間がかかるので、早い時期から始めたのが正解だったと思います。僕の場合は、英語の先生や帰国子女?の友人などに恵まれたのが、幸いでした。英語の勉強は一人でするものと思いがちかもしれませんが、先生や友人と楽しみながら学習すると、頭に単語や文法などが残りやすいかもしれません。

数学

 私は数学には、多少なり自信があったのですが、初めて京大の過去問をみたときに絶句しました。それほど難しいものです。ただ考え方を変えると、一番差がつきやすい科目かもしれません。勉強法としましては、とにかく問題を解くことに限ると思います。その際には解答が詳しいものを選び、解法の幅をきかせましょう。私は高校生が使う大学受験のための問題集から、ちょっと院試の線形もかじってみました。

物理

 物理は好きな科目なのですが、いざ試験となると解答が上手く作れませんでした。なので、良いアドバイスができません。ただ、同じ問題集を繰り返し繰り返し、解くことによって自信をつけたのですが、実際は問題をたくさんこなす方が正解かもしれません。

化学

 僕は化学科なので、あまり時間をかけない科目でした。他の科の人々にとっては、京大の化学は難しいものであるので、集中して勉強することをお勧めします。例えば、高校生が使う問題集を一冊こなすだけでも合否が変わるかもしれません。化学のジャンルは幅広いので、空きの時間を利用して「新研究」を使って知識を増やすと、合格率アップです。

専門科目の勉強

 過去問は手に入るものは全て解きました。学校で習う範囲だけでは、全くといっても足りないので、かなりきつかったです。来年度からは専門の科目がなくなると思うので、心配無用なので安心してください。

お薦めの参考書

 参考書はオススメの順に示していきます。

英語

  • 旺文社の英検シリーズ(イディオム、長文、リスニング)
  • 理工系学生のための必修英単語 3300 SEIBIDO  ←恩師が著者です。Web版もあるので、活用しましょう。
  • 京大学術語彙データベース 基本英単語1100 研究社
  • BARRON'S TOEFL IBT 2007 ←恩師に貸してもらいました。パソコンがあれば自宅でTOEFLの模擬テストが出来るグレイトな本です。ただ辛いだけなので、止めたほうがいいかもしれません。

数学

  • 高遠節夫:線形代数、微分積分I,II、基礎数学 大日本図書 ←富山高専の数学の教科書です。
  • マセマ:キャンパスゼミシリーズ マセマ ← 一通り全部こなしました。足りない知識を埋めるのにいいかもしれません。
  • 田代嘉宏:新編 高専の数学1~3 問題集 森北出版株式会社
  • 小寺平治:明解演習線形代数・微分積分・数理統計、共立出版 ←とにかく難しいので見るのが嫌になります。取捨選択が大事です。
  • 林義実:大学編入試験問題 数学/徹底演習 森北出版株式会社 ←京大レベルじゃ、歯がたちません。
  • Z会出版編集部:2次・私大突破のための必修問題150 理系数学入試の核心 Z会出版
  • マセマ:ハイレベル理系 数学I・A,II・B,III・C マセマ

物理

  • 浜島清利:物理のエッセンス(力学・波動、電磁気・熱・原子) 河合出版 ←微積を用いてないので、あくまでも基礎がためで。
  • 浜島清利:名門の森物理 河合出版 ←高校生に負けたくない、あなたに!
  • 永田一清:基礎物理学演習I サイエンス社 ←章末を解きましょう!
  • 今井功:演習力学 サイエンス社 ←何回やったかわかりません。富山高専にあるのがボロくなっているのは僕のせいです。
  • 鈴木賢二:ファイリングノート 物理学演習I(力学)、II(電磁気学)、学術図書出版社 ←解説が不十分なので自分で解答を作れない人は手を付けないほうが良いかも。

化学

  • 卜部吉庸:理系大学受験 化学I・IIの新研究 三省堂 ←分厚いので、コツコツ読もう。
  • 笹本忠:新編 高専の化学問題集[第二版] 森北出版 ←編入試験問題があるので、イイです。第一版には無いので、注意しましょう。
  • 尾野光夫:実力をつける化学 無機・有機編 Z会出版 ←結構レベルが高いかも。
  • 大宮理:大宮理の化学が面白いほどわかる本シリーズ 中経出版 ←基礎を入れるのにいいかもしれないが、マンガチックなので、好き嫌いがはっきりわかれる。
  • 鎌田真彰:化学I、II 基礎問題精講 旺文社

専門

有機

  • 加藤明良:有機反応のメカニズム 三共出版
  • モリソンボイド:有機化学上~下 東京化学同人

無機

  • シュライバーアトキンス:無機化学上下

分析

  • 無機・分析化学演習―大学院入試問題を中心に 東京化学同人

化工

  • 現代化学工学 産業図書
  • 化学工学編修委員会:化学工学入門 実教出版

反応工学

  • 橋本健治:反応工学 倍風館

 使用した参考書はまだまだありますが、特にオススメだけです。

TOEFLの点数

53

編入試験の出来

一般科目

  • 数学:5~6割
  • 物理:1~2割
  • 化学:8~9割

専門科目

  • 有機:9~10割
  • 物化:7~8割
  • 無機:7~8割
  • 分析:9~10割
  • 化工:7~8割
  • 反応工学:4~5割

面接(口頭試問)

聞かれたこと

  • 「富山高専はどこにあるの?」
  • 「富山駅からどうやって行くの?」

という質問から面接が始まりました。この時点で、落ちたなーと思いました(笑)

 他の質問は、試験の出来などありきたりなものでした。

コメント

 京大の面接はすでに結果が手元にあるので、面接の出来で合否が決まるということではないと思いますので、お話を楽しんでください。試験官は4人だったと思います。

志望動機

 卒研の先生が京大卒であったので、それにinspireされたのは間違いありません。あとは京都の町を自転車で旅したいという思い、親孝行したいという気持ちに支えられ、受験しました。

 まあ、一番の理由はレベルの高いところで学びたかったからです。

受験生へ

 京都大学を受けるためには、中途半端な気持ちで受けても合格する見込みがありません。京都大学を受かるためには、相当な時間を勉強に割く必要があります。僕も実際、辛かったという思い出しか残ってありませんが、おそらくそれ以上の見返りが待っていると思います。努力はきっと報われます。頑張ってください。

 最後に僕はひとりだけでは合格出来なかったと思います。受験後期には、たくさんの人に支えられ、応援してもらいました。この人達の声援に応えようとしたのが僕の力になり、またこの声援が合格へと導いてくれたのだと思います。

 この場を借りて僕を支えてくれた、親、先生方、ケビン、Fe、カッさん、しい、ちい、その他大勢に感謝したいと思います。

2010年09月13日 by muro