ハンドルネーム
k_s(ホームページ作成係)
編入学年度
平成20年度
京都大学での学科・コース
物理工学科 機械システム学コース
出身高専・学科
木更津高専 機械工学科
高専時代の順位
- 1年:1番
- 2年:1番
- 3年:1番
- 4年:1番
他大学の受験状況
- 東京大学:不合格
- 千葉大学:合格
- 大阪大学:不合格
- 東京工業大学:合格
編入の勉強を始めた時期と勉強時間
過去問題を取り寄せて分析し、参考書を買い始めたのは4年生の10月頃です。このころから英単語を毎日30分くらいずつやり始めました。数学は年明けから少しずつです。この頃までは一日1時間程度です。本格的に勉強し始めたのは4年の学年末試験の終了後の3月の始め頃からで、この頃からは一日平均5時間くらい勉強しました。
一般科目の勉強
英語
色々な難関大学の問題をひたすら解きまくりました。20年分以上解いたと思います。解答は高専の先生にに目を通していただきました。英訳・和訳は慣れですので、ひたすら解きまくれば能力は向上します。また、単語は大声で発音し、単語帳に付属のCDを大音量で聞きました。英文和訳、英文要約、和文英訳の3問構成です。一見、難しく見えますが京都大学の英語は実は簡単です。単語も難しいのはほとんどありません。文法は私は特に勉強しませんでしたが、不得意な人はやっておきましょう。高校生の受ける普通の学部入試も同じような構成になっているので、「赤本」などを購入して解けばより実力はつくでしょう。高専の編入試験は、これに加えて専門用語が要求されます。一方、学部入試の方が抽象的な文章が出題される点では編入試験よりも難しいです。
数学
学校の先生にとてもお世話になりました。自己分析をするのはまず無理です。特に平成19年度から著しく難化しました。私もJordan標準形しか解答に自信がありません(あとで解答を確認したら他も以外にできていました)。もし、数学で高点数を取るならば、解析、線形代数を院試応用レベルまでもっていくのはもちろん、線形空間論やベクトル解析についての知識を深めなくてはいけません。ただ、実際には低得点域となるのは避けられませんので、出来る問題を正確に諦めずに解くことが大切です。また、確率は苦手意識が起こりやすいのですが、問題によっては点数を稼げるのできちんと勉強しておいてください。
物理
物理と化学の試験問題は同時に配られ、試験時間は合わせて2時間となっています。力学・電磁気学の2問が出題されます。例年、非常に平易な出題が続いているので絶対に落とせない教科です。問題集を何回も解きました。力学は単振動の問題でしたので、非常に簡単でしたので完璧に解けました。電磁気は問題集そのままでしたので、これまたすぐに解けました。ただ、ガウスの法則で説明する設問は間違えたと思います。
化学
勉強しておいたのですが、理論化学の一部ができた程度でした。暗記科目なので独学でもどうにかなるので絶対に捨てないようにしましょう。かといって、化学の点数が悪くても不合格の決め手となるといったことはないようです。
専門科目の勉強
まず、過去問題は全て解きました。わからないところは先生に聞いたりしました。応用問題というよりも、その教科の本質を見るような出題がされています。基本的な公式の導出などはきちんとしておきましょう。たとえば、材料力学ではたわみ式やコイルばねのたわみ、流体力学で言えばオイラー方程式の導出はできますか。また、おそらく高専で習っていない単元も編入試験の過去問題では出題されていると思いますので、独学で勉強する必要があります。なお、専門試験は6科目同時に試験問題が配布され、全問を2時間30分で解答します。したがって、時間配分を事前に決めておくなどすることが重要です。
お薦めの参考書
- 小寺平治:明解演習線形代数・微分積分・数理統計、共立出版
- 寺田文行ほか:演習確率統計・線形代数・微分積分、サイエンス社
- 姫野俊一:演習大学院入試問題〈数学〉I、II(全2冊)、サイエンス社
- 今井功:演習力学[新訂版](セミナーライブラリ物理学(2))、サイエンス社
- 山村泰道:電磁気学演習[新訂版](理工基礎 物理学演習ライブラリ)、サイエンス社
- 後藤憲一:基礎物理学演習、共立出版
- 柴田俊忍:材料力学の基礎、培風館
- 坂田光雄:流体の力学 (機械系教科書シリーズ)、コロナ社
編入試験の様々な類題を見つけることができます。線形空間論、Jordan標準形などもこなしておいてください。ただし、明らかに不要な部分もあるので自分で取捨選択することが必要です。また、数理統計では京大の確率に類題を見つけることができる。ただし、これ一冊では確率の概念がわかりにくいので他の込み入った確率の教科書とあわせて勉強することをお勧めします。
明解演習よりも若干やさしめの問題集です。こちらのほうが取り組みやすいかもしれません。
東大の編入対策に良く使われる本ですが、問題によっては京大でも出題されそうなものもありますので、余力があればやってみてください。
力学を基礎からしっかりと身につけることができる、力学のベストセラーです。編入試験でも各種の類題をみつけることができます。
編入の電磁気はこれ一冊をマスターすれば十分です。ただし、電位と力の関係の問題などがやや不十分なので、他の本で習得されたいと思います。また、この本は数学的基礎を十分つけた上で望まれるべきです。私は電磁気は習っていなかったのでさらに優しい参考書と併用しました。
編入試験に出てくるような問題ばかりを集めた本です。先にあげた電磁気学演習、力学演習の2冊と組み合わせれば編入試験の物理はほぼ網羅できます。サイエンス社の本でも同じ名前の本があるので注意。
京大(物理工)は過去7年間の出題を見ても、この教科書の抜粋のような問題しか出題していません。本にある公式の証明、問題を一通りやってまとめておくとよいと思います。京大対策はこれ一冊でOK。
流体力学がコンパクトにまとまっています。編入試験の範囲はほぼ網羅されています。高専の学生を対象に発刊されたものでわかり易いです。
編入試験の出来
一般科目
- 英語:7割
- 数学:5割
- 物理:9割
- 化学:2割
専門科目
- 力学:8割
- 電磁気学:8割
- 材料力学:8割
- 熱力学:8割(出題ミスで1は全員満点の措置)
- 流体力学:3割
- 材料基礎学:6割
面接(口頭試問)
聞かれたこと
- 高専で学んできたことと、京都大学で学びたいことを3分間で説明する。(準備時間が1分)
- 京大の雰囲気は外部の者からするとどう感じられるのか
- テストの出来はどうだったか
- テスト勉強を始めた時期はいつだったか
- 他校の受験について(合否も)、他校の対策はしたか
- 部活について
- 体力に自信はあるか
- 京大の情報をどこで入手したか
- 学部を卒業した後、修士、博士課程はどうするか
- 卒研の説明
- 何を目的として勉強するのかを説明
- 木更津高専からは毎年京大を受験するのか
コメント
聞かれる内容はどの受験生も基本的には同じようです。面接官はコースに関係なく同一の試験官らです。面接官は7人で、面接時間は10分です。面接は終始和やかでした。なお、面接終了後は別の控え室に移され、全員が終了するまで退室・帰宅することはできません。
志望動機
京都で一人暮らしをしてみたかったというのが一番大きいです(笑)。東大も受けましたが、2年間で卒業できる京大に魅力を感じていました。
受験生へ
編入試験は情報戦です。友達と情報を共有することが大切です。mixi上で他高専との方とも情報を共有したりしていました。あと、編入試験には頭の良し悪しは関係ないです。いかに基本的な教科書レベルの内容を網羅するかです。著しく難しい問題を解く必要はありません。むしろ、試験では誰もが解ける簡単な問題を落とさないことです。京大といえども編入試験では一年間勉強すれば決して不可能ではないので、ぜひチャレンジして欲しいと思います。